【不動産】なぜいま? 都心で“戸建てシフト”

ことしの地価調査が19日、公表されました。
「住宅地」の平均価格は、全国平均は26年連続の値下がりでしたが、東京23区はこの1年間で平均3.3%値上がり。都心では、新築マンション購入を諦め、“戸建てシフト”とでもいう動きが目立っています。なぜなのでしょうか。

ーーー戸建てが高くてとても買えないから、マンションを買うのだと思っていました。

いまや、そうともいえなくなっているんです。
不動産経済研究所」の調査では、首都圏のマンションのことし上半期の平均価格は5884万円。平成3年以来、26年ぶりの高値になっています。東京23区に限れば平均価格は7159万円!です。

東京・目黒区の駅から徒歩7分の立地で建設中の不動産大手「三菱地所レジデンス」の高級マンションのモデルルームをこの週末に取材しました。価格は、3LDKで8000万円台。40代のご夫婦も「立地が良いところは、やっぱり高いなあ。いい物件は最初から手が出ないというイメージです」と話していました。欲しいけど高い。多くの人の実感ではないでしょうか。

ーーーマンションが上がるのなら、戸建ても値上がりするのでは。

そうではないようです。
マンション向けの条件のよいまとまった土地は、ホテルやビル用地にも適しているから開発会社の間で、取り合いになっているようです。それが土地高騰につながっている、ということです。

これに対して多くの戸建ては、相続などの際に売りに出された、比較的狭い土地を、2分割、3分割して分譲されています。
マンションやホテル用地としては、小ぶりで使いにくいため、それほど大きく値上がりしない。だからマンションよりも割安感を出せるのだというのです。
ーーーそれが“戸建てシフト”につながっていると。

と、専門家は分析しています。
都内で戸建てを販売する不動産会社「オープンハウス・ディベロップメント」は、ことし上半期の戸建ての引き渡し戸数が、去年の同じ時期より27%も増えています。

この会社を通じて、おととし目黒区の戸建て住宅を購入した女性に話を聞きました。最初は駅近のマンションを探していたそうですが、ほとんどが9000万円で購入を断念。マンションに比べて2割ほど安く、ロフト付きで延べ床面積110平方メートルの今の戸建てにしたんだそうです。

首都圏の1都3県で昨年度発売された新築分譲の戸建て住宅は9万1500戸。前の年より17%増えているという調査もあります。戸建てシフトを裏付けるデータです。
ーーーマンション価格、このあとも値上がりしたままなのでしょうか。

家の買い時を探るためにも先行きは気になりますよね。
不動産調査会社「東京カンテイ」の井出武 上席主任研究員は、今の“戸建てシフト”は、実は値下がりのサインではないかと見ています。
以下ソース
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170919/k10011148241000.html