【静岡】静岡茶ドイツでさらに 茶商、外国人大学生受け入れ[09/19]

静岡県内の茶商が、海外進出の足掛かりにしようと外国人大学生のインターン受け入れに乗り出した。
取り組むのは島田市の杉本製茶と森町のおさだ製茶。
高価格帯のお茶が売れるドイツを有力市場とにらみ、
県のビジネスインターン事業を通して来日したドイツ・ボン大の学生をそれぞれ受け入れている。

県企業立地推進課によると、1991年に始まったこの制度で
欧州とアジアから計110人を受け入れてきたが、茶業の現場に学生を送り込むのは初めてという。
県内茶商の将来の海外進出につながればと県が実現に向け動いた。

おさだ製茶の長田夏海専務取締役は
「ドイツは他国に比べ、良い商品を高値で売ることができる。
 流通のパイプを作っていきたいので受け入れたかった」と話す。

同社小売店の店頭で客に茶を勧めるのはカリナ・バラーステッドさん(24)。
品種や味の違いについて学び、「お店のお茶では一押しの秋さやかと山吹撫子が好き」と話す。
日本語で説明を加える対応は好評。
商品カタログをドイツ語に翻訳する仕事も担う。

杉本製茶ではホルガー・マイヤーさん(27)が実習に励む。
製茶工場内で商品を梱包(こんぽう)したり、機械に茶葉を投入したりする製造作業に携わる。
「夏は工場が暑くて大変だったけれど、周りの人が親切。日本企業について学べている」と笑顔。
2018年2月にドイツで開催されるオーガニック商品の展示会には同社も出展予定。
「帰国後に手伝いができれば」と意欲的だ。

米シアトルに現地法人を設立するなど海外輸出に積極的な同社は、
欧州の拠点をドイツに設置することを検討中。

杉本博行社長は
「ホルガー君には今後もサポート役やアドバイザーとして関わってもらえたら」と話す。

■緑茶輸出先2位 欧州“玄関口”、高値も

財務省貿易統計によると、2016年のドイツへの緑茶輸出額は約13億円で、米国に次いで2位。
キロ平均単価は4090円で、米国(3384円)や台湾(1050円)、シンガポール(3147円)などの
主要輸出国と比べ高値で取引されている。

日本貿易振興機構ジェトロ)静岡によると、
ドイツに集まった茶は国内で消費されるだけでなく、欧州連合(EU)の各国に再輸出される。
同国は欧州茶市場の拠点として機能している。
高級品が売れるほか、世界中への情報発信の効果も見込めるという。

残留農薬基準が日本より厳しく、県お茶振興課は
「基準をクリアできる茶を増やし、量を確保するための態勢を整えていくことが課題」と話す。

写真:来店客に出す茶のセットを準備するカリナ・バラーステッドさん
http://www.at-s.com/news/images/n41/403732/IP170913TAN000062000_1.jpg
写真:外向け抹茶商品のパッケージについて話すホルガー・マイヤーさん(右)と杉本博行社長
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以下ソース:静岡新聞 2017/9/19 17:29
http://www.at-s.com/news/article/economy/shizuoka/tea/403732.html