【おこめ】米スタンドパック(2キロ)が好評 食べ切り需要に対応 鮮度維持が可能 店頭で高い注目

スタンドパックの「宮城県産玄米金のいぶき」
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消費者の食べ切り需要に対応した「スタンドパック」の小容量米を売り出す米卸が増えている。冷蔵庫で保管しやすく、密閉用のチャックが付いて鮮度維持が可能。店頭で省スペースに見栄え良く陳列できることから、スーパーの扱いが広がってきた。

 スタンドパックは底面が平らになり、自立できる包装容器。平積みの米袋よりも表示が分かりやすく、目立つ。

 木徳神糧(東京都千代田区)は7月、スタンドパック商品の販売に乗り出した。冷蔵庫で保存できる2キロ入りの小容量で、小人数家族がターゲット。空気を除去して窒素などを満たすガス置換処理を施し、6カ月間の賞味期間を可能にした。「宮城県産玄米金のいぶき」など13種類の商品を展開する。

 同社は「消費者に『米は生鮮食品』との意識が広がっている。開封後も新鮮な状態で食べてもらえるよう、食べ切りサイズを意識した」(事業戦略部)と説明する。「宮城県産玄米金のいぶき」は、発売2カ月で首都圏や東海、関西地区のスーパーに展開。少量の玄米を食べ続けたい消費者に受け入れられたとみる。

 近年、スーパーから小容量の米商品の取引要望が高まり、同社の2キロサイズの販売金額は4年間で26%伸びた。同社は主力の桶川工場に6月、小容量商品生産ラインを導入して2キロ商品の生産を強化する。スタンドパック商品はその一環だ。

 米卸のマイパール長野(長野県安曇野市)は昨秋から、自社ブランド「一番開花」で2キロ入り精米のスタンドパック商品を展開している。日本穀物検定協会の米の食味ランキングで「特A」を取得した同県北信地方のうちでも、飯山市の「コシヒカリ」に産地銘柄を限定。日当たりが良い水田で栽培した米を2ミリ目合いのふるいで選別した、大粒のこだわり商品だ。

 同社は「陳列がしやすく、棚の上部に並べても目立つ」(品質管理課)とアピール。1袋1300円程度と割高だが、県内スーパーを中心に売り場を確保して固定客をつかみ、1カ月間の販売が500袋と好調だ。

■小容量品増える

 小容量商品の扱いが増えるのは、小売業界の販売慣習も背景にある。スーパーは精米して日の浅い米の販売を重視する。精米日から20~30日たった商品は特売に仕向けられ、中には廃棄となるケースがある。

 小容量商品は安定した価格で販売でき、ロスも少ない。長期間保管で生じやすい臭い移りや、湿気によるかび発生などのクレームも防ぎやすい。

 米穀機構が容量別の販売割合をまとめた調査によると、今年8月の2キロ袋の販売割合は8・3%。調査を始めた3年前と比べ1ポイント余り増えた。10キロ袋の割合が20・2%と4ポイント近く減った分、小容量商品が需要を取り込んでいる。

配信2017年09月19日
日本農業新聞
https://www.agrinews.co.jp/p41937.html