【訃報】[スタニスラフ・ペトロフ氏] 「核戦争の勃発を防いだ」旧ソビエト軍元中佐が死去[09/19]

「核戦争の勃発を防いだ」旧ソビエト軍元中佐が死去
9月19日 20時28分
東西冷戦のさなか、「核戦争の勃発を防いだ」として知られる旧ソビエト軍の元中佐がことし5月、亡くなっていたことがわかりました。77歳でした。
ソビエト軍の中佐だったスタニスラフ・ペトロフ氏は、1983年9月、モスクワ近郊でアメリカの核ミサイル攻撃を警戒する任務についていた際、5発のミサイルがソビエトに向けて発射されたという警報を確認しました。

しかしペトロフ氏は、ミサイルの数が少ないことから監視システムが誤作動した可能性があると判断し、あえて上官に報告しなかったということです。

警報は誤作動だったと判明したものの、東西冷戦で緊張が続く中、仮にペトロフ氏が上官に報告していれば、ソビエトが報復として核攻撃を行った可能性もあり、ペトロフ氏の行為は「全面的な核戦争の勃発を防いだ」として、ソビエト崩壊後、注目されるようになりました。

ペトロフ氏自身は軍の規約に反して報告を怠ったとして批判され、出世の道を絶たれましたが、その後、世界的に知られるようになり、2014年にはペトロフ氏をモデルにしたドキュメンタリー映画も公開されています。

当時の心境についてペトロフ氏は、2013年のBBCのインタビューで「判断から23分後、何も起きていないことがわかり、とても安心したことを覚えています」と語っていました。複数の欧米メディアによりますと、ペトロフ氏はことし5月、モスクワ近郊の自宅で亡くなったということです。77歳でした。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170919/k10011148291000.html?utm_int=news_contents_news-main_006&nnw_opt=news-main_b